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Dog photography and Essay

Dog photography and Essay

帰国後の日々


「帰国後」

「妻が倒れたとき」

妻の介護の為にブログは休むことにした。
ブログを休むと言っても再開はいつになるのか?

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昨年残暑厳しい折にまだ若い妻が早朝キッチンで
脳出血のため倒れており、偶々私は一時帰国していた。

救急隊に連絡、緊急搬送し一命は取り止めたものの
医師よりは「手術は成功しましたが、奥さんの麻痺は
左半身で歩行困難な為、一生車椅子生活」と宣告された。

私は妻が一命を取り留めた事もあり、また中国の仕事の
事で妻を娘に託し私は中国へ行ってしまった。

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今回半年後に帰国し在宅介護中の娘に代わり介護中
私が2秒間ほど目を離した。

左半身不随の妻が畳の上にバタンと倒れ、
背骨圧迫骨折と麻痺側の上腕骨折でチタンを入れる
手術をしたが2秒間の間の出来事だった。

現在半年前に妻を病院に置いたまま私は中国へ
行ってしまった事に事あるたびに後悔していた。
現在私は中国へ行かず妻の傍に居るべきか思案中。

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私の母よりは「3人の子供を押しつけて好き勝手な事を
して来たのだから、今後は妻の為に生きなさい」と言われた。

今までも家族のために中国で働いてきたと思っている所へ
会社より「中国行チケットは取れましたか?」の電話。

まだチケットを取っていない私は「はい」と弱弱しく
返答するが、今仕事を投げ出すべきか困惑している。

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ブログに載せる中国内の写真画像はあるのだが
厳しい現状再開する気持ちのゆとりもなく
妻の傍らで手を握り締めているだけである。

まだ若い妻の顔を見ていると辛いが、不景気な世の中
小さな会社では長期休職などという申請も却下される。

しかし、そうかと言っても、専門職で中国語が
話せる人材を会社側が直ぐに探すのも大変だろう。

でも妻の替わりはないが、私の替わりは不景気ゆえ、
すぐに見つけられるのかも知れない。

私はただ自惚れているだけなのかも知れない。

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「この一年に思いを寄せて」

日本の家近くの公園の写真を公開しています。
前回ブログを休止してから一年が経ってしまった。

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妻が脳出血で倒れ、左半身不随の身体障害者になり、
私は妻の介護のため会社を早期リタイヤし頑張って来た。

介護にも慣れ、早めに介護しておくのも良いものだなどと
思っている矢先、妻のいつもとは違う様子に不安を
覚えながら病院へと車を走らせた。

CTを撮り結果を聞くため名前を呼ばれるまで、
病院内を行ったり来たり気が気ではなかった。

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予定より大分遅れて名前を呼ばれて診察室へ入った。
医師は脳出血手術後のCT画像と今回のCT画像を
見比べながら、「違いが分かりますか?」と聞かれた。

CT画像を見比べたが正直分らなかった。
「奥さんは左小脳の脳梗塞です」と言われた。
すぐに思い立ったのが今度は右側麻痺の事だった。

そして手術をしなければならないのかと思い、
「先生、手術をするのですか?」と尋ねたところ、
医師からは「今回は薬で行きましょう」との返事だった。

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「いつ頃まで続けるのですか?」と愚問してしまった。
医師も私の焦りを表情で読み取っていたのか、
「大丈夫ですよ、医学は日進月歩ですよ」
薬は一生飲み続けなければならないとの事だった。

念のためMRIを撮り、その結果小脳のほか大脳にも
梗塞を発症していた。私は医師に便失禁の事を
伝えると、もしかすると心臓に異常があるのかもと
来週、心電図と心エコーの検査をすることになった。

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いつも不安に駆られ心が寒々としているときは
どうすればいいのだろうと思う。そういう時は
心が暖かい人達に囲まれれば暖まって来るのだろうか。

私はPCを触っているときが一番心が暖まる。
だが、妻は寝たきりでPCさえも触れず心が冷えきって
いるのではないだろうか?やはり私が傍にいて包んで
あげるのが今の妻にとって一番幸せではないかと
自分の心に言い聞かせている自分がいた。

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「明日という日を信じて」

「写真ライフ」では、
病院の裏山で撮影した写真を公開しています。

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脳出血を起こし、その後小脳の脳梗塞と、
大脳の脳梗塞を発症し、歩く事も出来なく
話す事も儘ならないし、自分で食べる事も出来ない。

妻の運転免許証は何とかなるのでは
また以前のように軽快に運転できるのではと
期待を持っていたが、あきらめ警察へ返してきた。

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明るい話題はというと心臓の心電図とエコーの
検査結果が出て、不整脈も梗塞もなく正常に
動いているから安心しなさいということだった。

私だけで医師へ検査結果を聞きに行って
妻の顔を見て「良かったね~」って話したが、
妻は無表情でただ遠くを見ているだけだった。

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今は妻の介護に始まり介護で終わる日々である。
平穏無事で何事もなく一日が終わるとホッとする。
夜中の呼び出しベルに、もんどり起こされるが
ただの妄想だと知ると、そんな瞬間喜びを感じている。

今は笑いを失った妻に笑いを取り戻してもらおうと
頑張る日々であるが、そんな中でも夜中、飛び起き
妻が息をしていないのではと手を鼻にかざす私である。

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以前は、私にも叶えられそうな小さな夢があった。
その小さな夢さえも私から奪い去ってしまった。

人生ってなんて不公平なんだろう。
そんなことを思いながら介護する日々でもある。

だが不公平と思っているのは実は私ではなく、
本当は、妻の方なのかも知れないと思う。

そんなことを思い浮かべながら、
すやすやと眠る障害者の妻の寝顔を見ていた。

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